Archive for the ‘倒置’ Category.

英文051

Noda’s key first task: filling Edano’s shoes(2011/09/01のJapanTimesより)

「野田首相の最初の任務は枝野の後任人事」

http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20110901a1.html

Various names were floated Wednesday for that and other posts, among them former
education minister Tatsuo Kawabata, a DPJ veteran who has also served as the party’s
secretary general and Diet affairs chief.

 

単語チェック
*various<形容詞>様々な
*float<動詞3>提案する
*post<名詞>地位
*former<形容詞>以前の
*education minister<名詞>教育相
*veteran<名詞>ベテラン
*serve<動詞1>務める
*secretary general<名詞>幹事長
*Diet affairs chief<名詞>国会対策委員長

構造チェック

まずは、英文全体の構造を確認してみましょう。後半は少し注意が必要です。

イメージ1+2つの副-前置詞句+副-分詞句です。前半の「様々な名前が、その地位や他の地
位に向けて、月曜日に提案された。」という部分は問題ないと思います。ただ、最後の副-分詞
句は非常にわかりにくいですから、一つ一つ確認していきましょう。

まずは、分詞句(分詞で始まる句)なのにも関わらず、分詞がありません。つまり、beingが省
略されているということです。それを補ってみると、

among them (being) former education minister Tatsuo Kawabata, a DPJ veteran who has
also served as the party’s secretary general and Diet affairs chief

ということです。ただ、これでも、「分詞で始まる」形ではありませんね。分詞句は、分詞で
始まることが原則ですが、その分詞の前に、名詞Aとなる語句が置かれることがあります。つま
り、「名詞A+分詞句」という形になるわけです。

しかし、今回の英文の場合、among themが、分詞句の前に置かれています。among themは、前
置詞句なので、名詞Aにはなりませんね。そこで、次の英文を想定してみましょう。

Among them is former education minister Tatsuo Kawabata, a DPJ veteran who has also
served as the party’s secretary general and Diet affairs chief.

という英文です。この英文は、イメージ1ですが、倒置の形になっています。

という構造です。「彼らの中には、党幹事長や国会対策委員長も務めたこともある民主党のベ
テラン議員である元教育相Tatsuo Kawabataもいる。」という英文です。この英文を元にして分
詞句を作ると、

among them being former education minister Tatsuo Kawabata, a DPJ veteran who has
also served as the party’s secretary general and Diet affairs chief

となります。among themは、名詞Aではありませんが、場所的に名詞Aの部分にあるために、同
じ扱いを受けて、そこに残るわけですね。

そして、副-分詞句ですから、付帯状況を表していて、「彼らの中には、党幹事長や国会対策委
員長も務めたこともある民主党のベテラン議員である元教育相Tatsuo Kawabataもいる状況で」
という意味を付け加えます。

日本語訳

Various names were floated Wednesday for that and other posts, among them former
education minister Tatsuo Kawabata, a DPJ veteran who has also served as the party’s
secretary general and Diet affairs chief.

「水曜日には、そのポストや他のポストに様々な名前が提案され、その中には、党幹事長や国
会対策委員長も務めたこともある民主党のベテラン議員である元教育相Tatsuo Kawabataもい
た。」

英文008

今回は、不法滞在者の拘留に関するニュースからです。

Ex-immigration boss: detentions too long(2010/07/14のJapanTimesより)

「不法滞在者の拘留は長すぎる」

 

There is no limit on how long the government can hold foreign residents deemed to be in Japan illegally.

単語チェック
*limit<名詞>限度
*hold<動詞3>拘留する
*foreign<形容詞>外国の
*resident<名詞>住民
*deem<動詞5>考える
*illegally<副詞>違法に

構造チェック

まずは、英文全体の構造を確認してみましょう。

ad-V-Aとなっていますが、イメージ1です。イメージ1は、A-Vが基本ですが、この英文は倒置の形になっています。この英文がなぜ倒置の形になるのかを理解しておきましょう。
英文は、「古い情報を前に置き、新しい情報を後に置く」という論理上の要請が働きます。「古い情報」というのは、前ですでに言及されている情報のことです。その「古い情報」が名詞Aになって文頭に来るのが、英文の基本形です。
しかし、「~がある、ない」のような文の場合、「~」の名詞は、その英文ではじめて出てくる「新しい情報」であることが普通です。したがって、その名詞を文頭に置くのは、論理上不自然になってしまいます。そこで、「~がある、ない」という英文の場合は、「~」という名詞を英文の後ろに置くために、倒置の形を使います。通常ならば、A-Vとなるべきところを、There-V-Aという形で表現します。この文頭のthereは形を整えるためのものなので、特に意味はありません。「古い情報」のダミーと言ったところでしょうか。

では、名詞Aを見てみましょう。onで始まる形容-前置詞句の中の名詞は、名-疑問詞節になっています。その内部構造を確認してみましょう。

イメージ3です。文頭のhow longは、long「長く」という副詞に、how「どのくらい」という疑問副詞がついたものです。この中の名詞Bには、形容-分詞句の修飾がついています。その内部構造は、

イメージ2(イメージ5の受け身)です(テキスト114p)。「不法に日本にいると考えられる→」という修飾語ですね。

日本語訳

There is no limit on how long the government can hold foreign residents deemed to be in Japan illegally.

「不法に日本にいると考えられる外国人を政府がどのくらい長く拘留できるのかについての制限はない。」

ニュース全文へのリンク

http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20100714f1.html

英文004

今日は、年金型保険金へ相続税と所得税を二重課税することは違法という最高裁判所の判決のニュースから英文を取り上げました。

Double taxation on pension-insurance payouts overruled(2010/07/07のJapanTimesより)

「年金型保険金への二重課税は違法」

 

At issue was the interpretation of a provision in the Income Tax Law stipulating that income tax will not be levied on inheritance, bequests, gifts or donations from an individual.

 

単語チェック
*issue<名詞>問題
*interpretation<名詞>解釈
*provision<名詞>規定
*Income Tax Law<名詞>所得税法
*stipulate<動詞3>規定する
*levy<動詞3>課税する
*inheritance<名詞>相続財産
*bequest<名詞>遺産
*gift<名詞>贈与
*donation<名詞>寄付

構造チェック

まずは、英文全体の構造を確認してみましょう。この英文は、全体のイメージの型がポイントです。

イメージ2ですが、通常のイメージ2は、A-V-A’なのに対して、A’-V-Aとなっていますね。at issueは前置詞句(形容詞か副詞)なので、名詞Aになることはできません。したがって、この英文はA’-V-Aとしか考えられません。
これは、倒置というルールに従って、語順が変わっているためです。倒置は、「本来後にある要素が前に出た場合、その後の語順が変わる」というルールで、この英文では、後にあるべきA’が前に出たために、名詞Aとbe動詞の語順が逆(A-V→V-A)になっています。
では、この英文でなぜ倒置が起きるのかを理解しておきましょう。

まず、英文というものは、「古い情報を前に置き、新しい情報を後に置く」という論理上の要請が働きます。「古い情報」というのは、すでに話題に出ている情報のことで、「新しい情報」というのは、その文で初めて触れる情報のことです。一番典型的な形は、イメージ3の形で、「古い情報(名詞A)+動詞V+新しい情報(名詞B)」という形になります。つまり、「古い情報」に新しい情報を関連づけながら、論理展開をしていくことによって、文章の流れをスムーズにしているわけですね。ちなみに、これを逆の形にしてしまうと、すごくわかりにくい文章になってしまいます。
では、今回の英文について考えてみましょう。この英文の前には、「年金型保険金への二重課税について、最高裁が下級審の判決を覆した。」という内容の英文があります。それを受けて、この英文があるということが重要です。そして、この英文は、名詞Aが「所得税法の規定の解釈」であり、A’が「問題となっている」という形容-前置詞句です。この2つの内容で、「古い情報」はどちらか考えてみましょう。
ちなみに、日本語で考えてみてもいいです。前の内容を把握した上で、「所得税法の規定の解釈が、問題となった。」と「問題となったのは、所得税法の規定の解釈だった。」のどちらが文章の流れが自然なのか。続けて読んでいけば、後者の方が自然であることがわかると思います。これは、やはり、古い情報が前にあり、新しい情報が後にあるからです。
英文でも、at issueが前の内容に関連した情報なので、あえてイメージの型を壊してでも、論理の流れを優先してそれを前に持ってきているわけですね。その上で、その後の部分を倒置にしているということです。

では、英文の構造に戻って、名詞Aを見てみましょう。

the interpretation of a provision in the Income Tax Law stipulating that income tax will not be levied on inheritance, bequests, gifts or donations from an individual

名詞Aには、「形容-分詞句」の修飾が付いています。その内部構造を確認してみましょう。

イメージ3を利用しています。ちなみに、この「形容-分詞句」は、その直前のthe Income Tax Lawではなく、a provisionを修飾しています。the Income Tax Lawのような固有名詞には、限定の形容詞はつきませんので、注意してください。この中の名詞Bは、名-サイン節です。その内部構造は、

イメージ1+副-前置詞句です。

日本語訳

At issue was the interpretation of a provision in the Income Tax Law stipulating that income tax will not be levied on inheritance, bequests, gifts or donations from an individual.

「問題となったのは、所得税は、個人からの相続財産、遺産、贈与、寄付には課税されないと規定している所得税法の規定であった。」

ニュース全文へのリンク

http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20100707a3.html