英文010

今回は、民主党の小沢議員に関するニュースからです。

Panel votes to reopen Ozawa case(2010/07/16のJapanTimesより)

「検察審査会はOzawa事案を不起訴不当に」

 

Technically, however, the wording leaves open the possibility the 2007 case will be closed if the prosecutors decide once again not to indict Ozawa.

 

単語チェック

*technically<副詞>法的には
*however<副詞>しかしながら
*wording<名詞>表現
*leave<動詞5>そのままにする
*possibility<名詞>可能性
*close<動詞3>終わらせる
*prosecutors<名詞>検察
*decide<動詞3>決定する
*indict<動詞3>起訴する

構造チェック

まずは、英文全体の構造を確認してみましょう。

イメージ5です。イメージ5は、通常、A-V-B-B’ですが、この英文は、A-V-B’-Bとなっていますね。これは主に2つの理由から、このような形になります。まず1つめは、名詞Bが長いので、A-V-B-B’という基本形では、leaveとopenが離れすぎてしまい、イメージの型がわかりにくくなってしまうことが理由です。そして、2つめは、名詞Bの内容がこの英文で提示したい「新しい情報」であるため、それをできるだけ後ろに置こうという意識が働くことが理由です。

では、名詞Bを詳しく見てみましょう。まずは、省略を補ってみます。

the possibility (that) the 2007 case will be closed if the prosecutors decide once again not to indict Ozawa

the possibilityという名詞には、形容-サイン節の修飾がついていますが、そのサインのthatが省略されています(テキスト243p)。その内部構造は、

イメージ1+副-サイン節です。この副-サイン節の内部構造は、

イメージ3です。once againという副詞が間に挟まれているので、名詞Bを見失わないように注意してください。この名詞Bは、名-to原形句です。その内部構造は、

イメージ3を利用しています。否定形なので、not to doという形になっています。

日本語訳

Technically, however, the wording leaves open the possibility the 2007 case will be closed if the prosecutors decide once again not to indict Ozawa.

「法的には、しかしながら、その表現は、もし検察が再びOzawaを起訴しないと決定すれば、その2007年の事案は終わりになるという可能性を残している。」

ニュース全文へのリンク

http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20100716a1.html

英文009

今回は、日本振興銀行のニュースからです。

Key figures at Incubator Bank nabbed(2010/07/15のJapanTimesより)

「日本振興銀行の黒幕逮捕」

 

Kimura, who made his name as a key adviser for Heizo Takenaka when he was financial services minister in the government of Prime Minister Junichiro Koizumi, is believed to have told other executives to systematically delete e-mails around the time of the audit, the sources said.

 
単語チェック
*financial services minister<名詞>金融大臣
*believe<動詞5>考える
*other<形容詞>他の
*executive<名詞>幹部
*systematically<副詞>組織的に
*delete<動詞3>削除する
*audit<名詞>会計監査

構造チェック

まずは、英文全体の構造を確認してみましょう。名詞Aに長い修飾語がついているので、動詞Vを見失わないように注意してください。

イメージ2(イメージ5の受け身)にソース表示がついた形です(テキスト114p)。

では、名詞Aについている形容-代用詞節を見てみましょう。これは、Kimuraという固有名詞についているので、非限定になっています。その内部構造は、

イメージ3+副-前置詞句+副-サイン節です。この中の副-サイン節の内部構造は、

イメージ2です。

全体に戻って、A’を見てみましょう。この部分は、名詞Aの存在状態を説明する形容-to原形句です。その内部構造は、

イメージ5+副-前置詞句の形を利用しています。動詞Vの形に注意してください。to have toldとなっています。to tellではなく、完了形の形になっているのは、この動作が、動詞Vのis believedよりも過去の動作であることを表しています。つまり、「話したと、考えられている」ということですね。
また、B’は名詞Bの存在状態を説明する形容-to原形句になっています。その内部構造は、

イメージ3を利用しています。

日本語訳

Kimura, who made his name as a key adviser for Heizo Takenaka when he was financial services minister in the government of Prime Minister Junichiro Koizumi, is believed to have told other executives to systematically delete e-mails around the time of the audit, the sources said.

「Kimura{彼は、Heizo Takenakaの主要アドバイザーとして、彼がJunichiro Koizumi首相の政権の金融大臣だったときに名をなした}は、会計監査の時期に、他の幹部に組織的に電子メールを削除するように指示したと考えられている。」

ニュース全文へのリンク

http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20100715a1.html

英文008

今回は、不法滞在者の拘留に関するニュースからです。

Ex-immigration boss: detentions too long(2010/07/14のJapanTimesより)

「不法滞在者の拘留は長すぎる」

 

There is no limit on how long the government can hold foreign residents deemed to be in Japan illegally.

単語チェック
*limit<名詞>限度
*hold<動詞3>拘留する
*foreign<形容詞>外国の
*resident<名詞>住民
*deem<動詞5>考える
*illegally<副詞>違法に

構造チェック

まずは、英文全体の構造を確認してみましょう。

ad-V-Aとなっていますが、イメージ1です。イメージ1は、A-Vが基本ですが、この英文は倒置の形になっています。この英文がなぜ倒置の形になるのかを理解しておきましょう。
英文は、「古い情報を前に置き、新しい情報を後に置く」という論理上の要請が働きます。「古い情報」というのは、前ですでに言及されている情報のことです。その「古い情報」が名詞Aになって文頭に来るのが、英文の基本形です。
しかし、「~がある、ない」のような文の場合、「~」の名詞は、その英文ではじめて出てくる「新しい情報」であることが普通です。したがって、その名詞を文頭に置くのは、論理上不自然になってしまいます。そこで、「~がある、ない」という英文の場合は、「~」という名詞を英文の後ろに置くために、倒置の形を使います。通常ならば、A-Vとなるべきところを、There-V-Aという形で表現します。この文頭のthereは形を整えるためのものなので、特に意味はありません。「古い情報」のダミーと言ったところでしょうか。

では、名詞Aを見てみましょう。onで始まる形容-前置詞句の中の名詞は、名-疑問詞節になっています。その内部構造を確認してみましょう。

イメージ3です。文頭のhow longは、long「長く」という副詞に、how「どのくらい」という疑問副詞がついたものです。この中の名詞Bには、形容-分詞句の修飾がついています。その内部構造は、

イメージ2(イメージ5の受け身)です(テキスト114p)。「不法に日本にいると考えられる→」という修飾語ですね。

日本語訳

There is no limit on how long the government can hold foreign residents deemed to be in Japan illegally.

「不法に日本にいると考えられる外国人を政府がどのくらい長く拘留できるのかについての制限はない。」

ニュース全文へのリンク

http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20100714f1.html

英文007

今回は、選挙に大敗した民主党の話題です。

Kan can expect rocky road(2010/07/13のJapanTimesより)

「菅首相に茨の道」

 

Speaking in Tokyo at the Foreign Correspondents’ Club of Japan, Curtis said the DPJ may have had a better shot at joining hands with others if it had won at least a few more seats.

 

単語チェック
*Foreign Correspondents’ Club of Japan<名詞>在日外国特派員協会
*DPJ<名詞>民主党
*shot<名詞>挑戦
*join<動詞3>結ぶ
*at least<副詞>少なくとも
*seat<名詞>議席

構造チェック

まずは、英文全体の構造を確認してみましょう。

副-分詞句+イメージ3という形です。副-分詞句は「同時進行」の動作を表すので、speakとsayが同時に起こっているということを表しています(テキスト188p)。多くの場合は、同じ動作を「抽象→具体」というように言い換える場合に使います。この英文の場合は、「話して→(具体的には)~と言った。」という感じです。

では、名詞Bを見てみましょう。名-サイン節になっています。その内部構造は、

イメージ3+副-サイン節です。
この動詞Vに注目してください。may have hadという形になっていますね。「助動詞+完了形」という形です。この形は、「過去に関する推量」を表す形です。
助動詞は、「発言者の主張」を表す時に使うもので、can「~であり得る」may「~かもしれない」should「当然~」must「~に違いない」などの意味を表します。すべて、事実ではなく「発言者の主張」を表していますね。そして、その後に「完了形」の形が続くと、「過去に関する主張(推量)」を表す形になります。may haveが「持っているかもしれない」という「現在に関する推量」であるのに対し、may have hadは「持っていたかもしれない」となります。

では、構造に戻って、名詞Bを見てみましょう。この中にあるatで始まる形容-前置詞句の中の名詞は、名-ing句です。その内部構造は、

イメージ3+副-前置詞句を利用しています。

次は、副-サイン節の内部構造を確認してみましょう。

イメージ3です。ifの副-サイン節の中で動詞が過去完了形になっているので、これは「仮定法過去完了」の用法です。つまり、「過去の事実に反する仮定」を表しています。「(事実としては少ししか議席を得なかったが、)もし、少なくとももう数議席を獲得していたなら」という意味です。

日本語訳

Speaking in Tokyo at the Foreign Correspondents’ Club of Japan, Curtis said the DPJ may have had a better shot at joining hands with others if it had won at least a few more seats.

「東京の在日外国特派員協会で話をして、Curtisは、もし民主党が少なくとももう数議席獲得していたなら、民主党は他党と手を結ぶことにもっとうまく臨めたかもしれない、と語った。」

ニュース全文へのリンク

http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20100713a4.html

英文006

今回は、日本のイルカ漁についての映画のニュースからです。

Video shows dolphin suicide try: ‘Cove’ star(2010/07/12のJapanTimesより)

「イルカの自殺未遂だ:Coveの主役」

 

The star of the documentary “The Cove” about the annual dolphin hunt in Taiji, Wakayama Prefecture, says video footage showing a dolphin jumping out of an aquarium tank underlines the cruelty of captivity and that all of the creatures should be set free.

単語チェック
*star<名詞>主役
*annual<形容詞>毎年の
*hunt<名詞>漁
*video footage<名詞>ビデオ映像
*aquarium tank<名詞>水族館の水槽
*underline<動詞3>明確に示す
*cruelty<名詞>残虐さ
*captivity<名詞>監禁
*creature<名詞>生物

構造チェック

まずは、英文全体の構造を確認してみましょう。

全体は、イメージ3です。

名詞Bは、名-サイン節が2つあって、andで結ばれています。1つ1つ見てみましょう。まず、前半の内部構造を確認してみましょう。

イメージ3です。この中の名詞Aには、形容-分詞句の修飾がついています。その内部構造は、

イメージ3を利用しています。この中の名詞Bにも、形容-分詞句の修飾がついています。その内部構造は、

イメージ1+副-前置詞句を利用しています。

では、全体に戻って、もう1つの名-サイン節を見てみましょう。

that all of the creatures should be set free

こちらは、名詞節のサインのthatがついていますね。1つめの名-サイン節のthatは省略されていましたが、こちらのthatは省略することができませんので注意してください。こちらのthatを省略してしまうと、ここが名-サイン節ではなく、別の英文になってしまいます。1つめの名-サイン節の場合は、saysのすぐ後にあって、thatを省略しても間違えることがないので、省略されることが普通です。その内部構造は、

イメージ2(イメージ5の受け身)です。イメージ5を受け身にするとイメージ2になりますね(テキスト114p)。

日本語訳

The star of the documentary “The Cove” about the annual dolphin hunt in Taiji, Wakayama Prefecture, says video footage showing a dolphin jumping out of an aquarium tank underlines the cruelty of captivity and that all of the creatures should be set free.

「和歌山県太地町の毎年のイルカ漁についてのドキュメンタリー”The Cove”の主役は、水族館の水槽から飛び出るイルカを映しているビデオ映像は、監禁の残酷さを明確に示していて、その生物は皆、放流されるべきであると語っている。」

ニュース全文へのリンク 

http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20100712b1.html