Archive for 7月 2010

英文007

今回は、選挙に大敗した民主党の話題です。

Kan can expect rocky road(2010/07/13のJapanTimesより)

「菅首相に茨の道」

 

Speaking in Tokyo at the Foreign Correspondents’ Club of Japan, Curtis said the DPJ may have had a better shot at joining hands with others if it had won at least a few more seats.

 

単語チェック
*Foreign Correspondents’ Club of Japan<名詞>在日外国特派員協会
*DPJ<名詞>民主党
*shot<名詞>挑戦
*join<動詞3>結ぶ
*at least<副詞>少なくとも
*seat<名詞>議席

構造チェック

まずは、英文全体の構造を確認してみましょう。

副-分詞句+イメージ3という形です。副-分詞句は「同時進行」の動作を表すので、speakとsayが同時に起こっているということを表しています(テキスト188p)。多くの場合は、同じ動作を「抽象→具体」というように言い換える場合に使います。この英文の場合は、「話して→(具体的には)~と言った。」という感じです。

では、名詞Bを見てみましょう。名-サイン節になっています。その内部構造は、

イメージ3+副-サイン節です。
この動詞Vに注目してください。may have hadという形になっていますね。「助動詞+完了形」という形です。この形は、「過去に関する推量」を表す形です。
助動詞は、「発言者の主張」を表す時に使うもので、can「~であり得る」may「~かもしれない」should「当然~」must「~に違いない」などの意味を表します。すべて、事実ではなく「発言者の主張」を表していますね。そして、その後に「完了形」の形が続くと、「過去に関する主張(推量)」を表す形になります。may haveが「持っているかもしれない」という「現在に関する推量」であるのに対し、may have hadは「持っていたかもしれない」となります。

では、構造に戻って、名詞Bを見てみましょう。この中にあるatで始まる形容-前置詞句の中の名詞は、名-ing句です。その内部構造は、

イメージ3+副-前置詞句を利用しています。

次は、副-サイン節の内部構造を確認してみましょう。

イメージ3です。ifの副-サイン節の中で動詞が過去完了形になっているので、これは「仮定法過去完了」の用法です。つまり、「過去の事実に反する仮定」を表しています。「(事実としては少ししか議席を得なかったが、)もし、少なくとももう数議席を獲得していたなら」という意味です。

日本語訳

Speaking in Tokyo at the Foreign Correspondents’ Club of Japan, Curtis said the DPJ may have had a better shot at joining hands with others if it had won at least a few more seats.

「東京の在日外国特派員協会で話をして、Curtisは、もし民主党が少なくとももう数議席獲得していたなら、民主党は他党と手を結ぶことにもっとうまく臨めたかもしれない、と語った。」

ニュース全文へのリンク

http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20100713a4.html

英文006

今回は、日本のイルカ漁についての映画のニュースからです。

Video shows dolphin suicide try: ‘Cove’ star(2010/07/12のJapanTimesより)

「イルカの自殺未遂だ:Coveの主役」

 

The star of the documentary “The Cove” about the annual dolphin hunt in Taiji, Wakayama Prefecture, says video footage showing a dolphin jumping out of an aquarium tank underlines the cruelty of captivity and that all of the creatures should be set free.

単語チェック
*star<名詞>主役
*annual<形容詞>毎年の
*hunt<名詞>漁
*video footage<名詞>ビデオ映像
*aquarium tank<名詞>水族館の水槽
*underline<動詞3>明確に示す
*cruelty<名詞>残虐さ
*captivity<名詞>監禁
*creature<名詞>生物

構造チェック

まずは、英文全体の構造を確認してみましょう。

全体は、イメージ3です。

名詞Bは、名-サイン節が2つあって、andで結ばれています。1つ1つ見てみましょう。まず、前半の内部構造を確認してみましょう。

イメージ3です。この中の名詞Aには、形容-分詞句の修飾がついています。その内部構造は、

イメージ3を利用しています。この中の名詞Bにも、形容-分詞句の修飾がついています。その内部構造は、

イメージ1+副-前置詞句を利用しています。

では、全体に戻って、もう1つの名-サイン節を見てみましょう。

that all of the creatures should be set free

こちらは、名詞節のサインのthatがついていますね。1つめの名-サイン節のthatは省略されていましたが、こちらのthatは省略することができませんので注意してください。こちらのthatを省略してしまうと、ここが名-サイン節ではなく、別の英文になってしまいます。1つめの名-サイン節の場合は、saysのすぐ後にあって、thatを省略しても間違えることがないので、省略されることが普通です。その内部構造は、

イメージ2(イメージ5の受け身)です。イメージ5を受け身にするとイメージ2になりますね(テキスト114p)。

日本語訳

The star of the documentary “The Cove” about the annual dolphin hunt in Taiji, Wakayama Prefecture, says video footage showing a dolphin jumping out of an aquarium tank underlines the cruelty of captivity and that all of the creatures should be set free.

「和歌山県太地町の毎年のイルカ漁についてのドキュメンタリー”The Cove”の主役は、水族館の水槽から飛び出るイルカを映しているビデオ映像は、監禁の残酷さを明確に示していて、その生物は皆、放流されるべきであると語っている。」

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http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20100712b1.html

英文005

今回は、参議院選挙の事前世論調査のニュースからです。

Cabinet support drops to 43%: poll(2010/07/09のJapanTimesより)

「内閣支持率が43パーセントに下落」

 

Asked which party they will vote for in the proportional representation section of the Upper House election, 23.7 percent favored the ruling Democratic Party of Japan, down from 26.3 percent in the previous poll.

単語チェック
*ask<動詞4>尋ねる
*vote<動詞1>投票する
*proportional representation section<名詞>比例代表区
*Upper House election<名詞>参議院選挙
*favor<動詞3>支持する
*ruling<形容詞>与党の
*Democratic Party of Japan<名詞>民主党
*down<形容詞>下がっている
*previous<形容詞>以前の

構造チェック

まずは、英文全体の構造を確認してみましょう。過去分詞で始まっていることに注意してください。

副-分詞句+イメージ3+副-分詞句という形です。1つ1つ詳しく確認していきましょう。

まず、文頭の副-分詞句は、過去分詞で始まっているので、受け身の形を元にした分詞句です(テキスト193p)。その内部構造は、

イメージ3(イメージ4の受け身)を利用しています。イメージ4の受け身の形であることをしっかりと理解してください(テキスト115p)。この名詞Bは、名-疑問詞節です(テキスト220p)。その内部構造は、

which party    they    will vote    for

in the proportional representation section of the Upper House election,

これは、このままではちょっと構造がわかりにくいです。forという前置詞の後に名詞がないですね。forの後にあるべき名詞が前に出てしまっているからです。それを元に戻して考えてみましょう。

こうすれば、イメージ1+副-前置詞句+副-前置詞句という形であることがわかりますね。which partyは、名-疑問詞節(名詞の機能を持ち、疑問詞で始まる節)なので、前に出ているわけですね。whichは疑問形容詞なので、「どの」となります。ちなみに、whichは「どちらの」というように2つから選択するとは限らず、「限定された選択肢の中からの選択」の場合に使いますので、いくつあっても選択肢が限定されていればwhichを使います。それに対して、「限定されていない選択肢の中からの選択」の場合は、whatを使います。

では、全体に戻って、最後の副-分詞句を見てみましょう。

down from 26.3 percent in the previous poll

これは、一見すると、分詞句には見えません。しかし、これはbeingという分詞が省略された形です。その内部構造を確認してみましょう。

イメージ2+副-前置詞句を利用した形です。これは、形としては副-分詞句の形ですが、正確には前の英文の名詞Aを修飾していると考えられるので、形容-分詞句の非限定と考えてもいいです。つまり、「23.7パーセント(それは、以前の世論調査での26.3パーセントよりも下がっている)が、与党民主党を支持した。」ということです。

日本語訳

Asked which party they will vote for in the proportional representation section of the Upper House election, 23.7 percent favored the ruling Democratic Party of Japan, down from 26.3 percent in the previous poll.

「参議院選挙の比例代表区でどの政党に投票するかを尋ねられて、23.7パーセントが与党民主党を支持したが、それは以前の世論調査での26.3パーセントよりも下落した。」

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http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20100709a2.html

英文004

今日は、年金型保険金へ相続税と所得税を二重課税することは違法という最高裁判所の判決のニュースから英文を取り上げました。

Double taxation on pension-insurance payouts overruled(2010/07/07のJapanTimesより)

「年金型保険金への二重課税は違法」

 

At issue was the interpretation of a provision in the Income Tax Law stipulating that income tax will not be levied on inheritance, bequests, gifts or donations from an individual.

 

単語チェック
*issue<名詞>問題
*interpretation<名詞>解釈
*provision<名詞>規定
*Income Tax Law<名詞>所得税法
*stipulate<動詞3>規定する
*levy<動詞3>課税する
*inheritance<名詞>相続財産
*bequest<名詞>遺産
*gift<名詞>贈与
*donation<名詞>寄付

構造チェック

まずは、英文全体の構造を確認してみましょう。この英文は、全体のイメージの型がポイントです。

イメージ2ですが、通常のイメージ2は、A-V-A’なのに対して、A’-V-Aとなっていますね。at issueは前置詞句(形容詞か副詞)なので、名詞Aになることはできません。したがって、この英文はA’-V-Aとしか考えられません。
これは、倒置というルールに従って、語順が変わっているためです。倒置は、「本来後にある要素が前に出た場合、その後の語順が変わる」というルールで、この英文では、後にあるべきA’が前に出たために、名詞Aとbe動詞の語順が逆(A-V→V-A)になっています。
では、この英文でなぜ倒置が起きるのかを理解しておきましょう。

まず、英文というものは、「古い情報を前に置き、新しい情報を後に置く」という論理上の要請が働きます。「古い情報」というのは、すでに話題に出ている情報のことで、「新しい情報」というのは、その文で初めて触れる情報のことです。一番典型的な形は、イメージ3の形で、「古い情報(名詞A)+動詞V+新しい情報(名詞B)」という形になります。つまり、「古い情報」に新しい情報を関連づけながら、論理展開をしていくことによって、文章の流れをスムーズにしているわけですね。ちなみに、これを逆の形にしてしまうと、すごくわかりにくい文章になってしまいます。
では、今回の英文について考えてみましょう。この英文の前には、「年金型保険金への二重課税について、最高裁が下級審の判決を覆した。」という内容の英文があります。それを受けて、この英文があるということが重要です。そして、この英文は、名詞Aが「所得税法の規定の解釈」であり、A’が「問題となっている」という形容-前置詞句です。この2つの内容で、「古い情報」はどちらか考えてみましょう。
ちなみに、日本語で考えてみてもいいです。前の内容を把握した上で、「所得税法の規定の解釈が、問題となった。」と「問題となったのは、所得税法の規定の解釈だった。」のどちらが文章の流れが自然なのか。続けて読んでいけば、後者の方が自然であることがわかると思います。これは、やはり、古い情報が前にあり、新しい情報が後にあるからです。
英文でも、at issueが前の内容に関連した情報なので、あえてイメージの型を壊してでも、論理の流れを優先してそれを前に持ってきているわけですね。その上で、その後の部分を倒置にしているということです。

では、英文の構造に戻って、名詞Aを見てみましょう。

the interpretation of a provision in the Income Tax Law stipulating that income tax will not be levied on inheritance, bequests, gifts or donations from an individual

名詞Aには、「形容-分詞句」の修飾が付いています。その内部構造を確認してみましょう。

イメージ3を利用しています。ちなみに、この「形容-分詞句」は、その直前のthe Income Tax Lawではなく、a provisionを修飾しています。the Income Tax Lawのような固有名詞には、限定の形容詞はつきませんので、注意してください。この中の名詞Bは、名-サイン節です。その内部構造は、

イメージ1+副-前置詞句です。

日本語訳

At issue was the interpretation of a provision in the Income Tax Law stipulating that income tax will not be levied on inheritance, bequests, gifts or donations from an individual.

「問題となったのは、所得税は、個人からの相続財産、遺産、贈与、寄付には課税されないと規定している所得税法の規定であった。」

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http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20100707a3.html

英文003

今日は、宇宙探査機はやぶさのニュースからです。

Hayabusa capsule holds dust particles(2010/07/06のJapanTimesより)

「はやぶさのカプセルに微粒子」

 

Particles of what could be asteroid dust have been found in the Hayabusa probe’s sample container, the Japan Aerospace Exploration Agency said Monday.

 

単語チェック
*particle<名詞>粒子
*asteroid dust<名詞>小惑星のちり
*probe<名詞>宇宙探査機
*sample container<名詞>試料容器
*Japan Aerospace Exploration Agency<名詞>宇宙航空研究開発機構

構造チェック

まずは、英文全体の構造を確認してみましょう。今回の英文は、whatの使い方に注意してください。

全体は、イメージ1+副-前置詞句という形に、ソース表示が付いています。

では、名詞Aを見てみましょう。partclesという名詞に、形容-前置詞句の修飾が付いています。そのofで始まる前置詞句の名詞の部分を見てみましょう。

what could be asteroid dust   

名詞の部分が疑問詞で始まっているので、名-疑問詞節であることがわかります。その内部構造は、

イメージ2です。「何が、小惑星のちりであり得るのか」という意味の名詞節ですね。
ただ、この英文の場合は、この意味の把握の仕方では、うまく意味が通りません。名-疑問詞節には、「確定」用法というものがあって、これはそちらで把握します。つまり、「何が、小惑星のちりであり得るのか」という疑問の意味ではなく、「小惑星のちりであり得るもの」という確定の意味で把握するわけです。この2つは、同じ現象を、「疑問」と「確定」という違った視点で捉えているだけです。

また、動詞Vは、受け身の現在完了形になっています。現在完了形という形は、have+過去分詞という形からわかるように、「過去の動作(過去分詞)を、現在持っている(have)」という意味が基本です。この英文で考えると、「発見されたことを、現在持っている→発見されている」という意味ですね。「発見された」とも「発見される」とも、意味合いが異なることに注意してください。

日本語訳

Particles of what could be asteroid dust have been found in the Hayabusa probe’s sample container, the Japan Aerospace Exploration Agency said Monday.

「小惑星のちりである可能性のあるものの微粒子が、はやぶさ探査機の試料容器の中で、見つかっている{宇宙航空研究開発機構が月曜日に語った}。」

ニュース全文へのリンク

http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20100706a1.html